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もぐさ観音の頃 初嫁さんがまるまげを結って氏神さまへ結婚の報告へ行く。
 

  今から約400年前に、長野県にある五箇という所から村民の1人がもぐさの木からなる観世音菩薩の像をもらいうけて堂を建て、これを安置し慶長11年4月18日に盛大なお祭りがおこなわれ、以来ずっと続いている祭りです。
 初嫁さんにとって、すじ撒き、田うない等の慣れない春の農作業はつらい仕事でした。4月18日はお嫁に来た時の江戸褄を着てお姑さんに連れられてもぐさ観音と諏訪神社へお参りに行き、参道にはたくさんの出店が出て子供達も小遣いをもらってうきうきしていました。
 お嫁入りの時は、上堀之内の髪結いさんに泊まりがけで来てもらい、お宮参りでは、この髪結いさんに朝早く出発して平丸まで歩いて来て丸曲げを結ってもらいました。お嫁入りの時に実家でそろえてくれた丸曲げ用の髪飾りで髪を結ってもらい、お宮参りに出掛けました。お宮から帰って着替えをしてお婿さんと2人で、お姑さんが用意してくれたお酒や手みやげを持って実家へ呼ばれて行きます。実家では何日も前から餅をついたり、山へ出掛けて山菜を取りご馳走します。
 人によっては親の決めた相手と結婚しないと勘当されて行く所がなくなったという人もいて、嫌な相手でも結婚するしかありませんでした。
そんな嫁にとって、嫁いで1年間はその年の半分位を実家へ手伝いに帰り、体を休めるというしきたりは随一の救いでした。また実家では嫁いだ子供と共に孫までも五節句はもちろん出産、教育と何かにつけて援助してくれ、結婚式の時まで孫親という席があるほど縁は続きます。(「南部の味と暮し」より)

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DATA : 参考文献「南部の味と暮し」
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