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塞の神 正月の飾りや書きぞめを燃やし、その年の豊作と無病息災を祈る。
 

 15日の朝、子供たちが中心になって村の各戸をまわり、藁をもらい集めることからこの日の行事が始まります。集めた藁を肩にかついだり、ソリにのせたりして塞の神の田んぼまで運びます。大雪の年などは、村の中の道を歩くのも一苦労で、すべったりころんだりしながら、それでも藁一束を一生けん命かかえて運んだ覚えがあります。
 藁を運び集めると、塞の神の芯木にする雑木(なら、くぬぎ)や孟宗竹をもらいに行きます。芯木、藁がそろうといよいよ積み上げです。芯木のてっぺんに藁人形を飾り、藁束を幾重にも芯木に巻き付けていきます。大人の人たちの手際の良さに、子供たちは雪遊びをしながら目を見張って眺めていたものです。
 夜早めに晩ごはんを済ませ、みのぼしや角巻きをかぶり提灯をかざし、三々五々「おつかれさんでごんす」と挨拶しながら、村中の人たちが集まってきます。塞の神に点火されると正月飾りや書初めも燃やされました。書初めは空に高く昇っていくほど、習字が上手になると言われ、子供のころは書初めの行方に一喜一憂したものです。下火になった灰の中で餅を焼きます。まっ黒こげの餅はカゼ薬になるとか、頭が良くなるとか言われ、口のまわりを黒くして食べたものです。ひび割れしたほっぺたや、しもやけやあかぎれの手をこすり合わせながら、燃えさかる火にあたり、家族の無病息災を祈りました。(「あらいのごっつぉ」より)

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 新井市猿橋地区の賽の神は、地区の事情から、2月に賽の神を行います。竹でやぐらを組んで、中空状態で焚きつけるという、めずらしい方法です。鈴なりにつるされただるまも印象的。(写真と情報提供 稲葉さん)
     
 

 

 

     
DATA : 参考文献「あらいのごっつぉ
2005/1/24猿橋地区情報追加
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